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トイレフェラOKの娘たち

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笑い終えてから初めてじっくりとジローを見た。目からほっぺにかけてがすごくあどけなくて、口元が人なつっこそう。愛敬のある顏だなと思った。

Jスタンドは学校と私の家のちょうど中間にある小さなコーヒーショップだ。手作りのフレッシュジュースが絶品で、学校帰りの溜り場になっている。

島崎くんは剣道をやってるらしく、カスミは「次の大会にはみんなで応援に行くね」と弾んだ声で話しながら歩いていた。

もうすぐでJスタンドという時だった。財布にいくら入ってたか確かめようとしてバッグを開けたら、リップクリームがポロリとこぼれた。

「あ、あ〜ちょっと待って〜」

円筒形のリップはアスファルトの上を転がって、川と道路を隔てていたフェンスの下をくぐっていく。

「チアキ、どうしたの?」
「超ショック〜、リップ落としちゃったよ〜」

フェンスにしがみついてコンクリートの川底をのぞき込む。このところ天気続きだったから水はかなり干上がっていて、リップは水には浸からずに水面のすぐ脇のところで引っ掛かっていた。

「あっ、あそこにある」と島崎くんが言った。でも川の両岸は4メートルの垂直な石垣で固められている。降りていくことはまず無理だった。

「あーあ、買ったばっかだったのに〜悔しい!」

私がそう言うと島崎くんが「お前行ってきてやれよ」とジローの肩を押した。

「よし、じゃあ軽くスポーツしてくっかな」 言うが早いかジローはフェンスに飛びついて反対側へと乗り越えた。冗談だと思っていた私は、「もういいよ、危ないから止めて」と言ったけど、ジローは石垣のわずかな突起に指とつま先をかけて川底に向ってスルスルと降りていった。
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